熊本レッドベアーズでは、子どもたちと月に一度「交換ノート」を行っています。
子どもたちの普段は言えない事や、なかなか伝えることができないことでも、継続的にやり取りすることで、「汲み取る」ことがしやすくなります。
そして、「汲み取る」ことの仕掛けとして、「質問」と「記録」を大切にしています。
今回も、「汲み取る」仕掛けについて書いていきます。
自分を褒めることは難しい
褒めるって言っても?
熊本レッドベアーズでは、20年ほど前から「褒める」ことを大切にしてきました。
20年前は、今ほど「褒める」ことの優位性が認められず、「褒める」と言っても、
- どのように褒めると良いのか?
- どんなことを褒めると良いのか?
- どのくらい褒めると良いのか?
わからないまま、とにかく褒めていました。
この令和の時代は、脳科学者や教育論者など様々なジャンルの方が、論文などを参考に「褒める」ことのメリット・デメリットを整理してくれています。
もしかすると、西洋では研究が20年前も進んでいたのかも知れませんが、、、
しかし、わからないまま褒め続けているだけでも、子どもたちの伸び伸びした成長には感動をしていました。
当時は、魂で、「良いこと」を感じるしかありませんでした。
みんなで褒めあってみる?
人前で、家族や友達や同僚や仲間たちと、褒め合うことを想像してみて下さい。
少し気持ち悪いですね。笑
ある時、褒め合うことをやってみました。
- 「〇〇くんを褒めてみて~」
- 「がっちゃんを褒めて~」
- 「家族の誰かを褒めて~」
面白いことに、子どもたちは、じゃんじゃん褒め合いだしました。
それを見た、お母さんたちも我が子を褒めることが増え出しました。
傍から見たら、異様な光景で気持ち悪かったかもしれませんが、子どもたちは面白おかしく褒めるようになったのです。
アメリカに行くと、お母さんもお父さんも我が子を抱きしめて褒めているのを良く見ます。
アメリカのバスケットボールアカデミーのコーチも厳しいことを言う時も有るけれど、練習終わりには、肩を組み褒め、子どもたちは気持ち良く帰っていきます。
もしかしたら、アメリカの人たちから見た、「褒めない」環境のことの方が気持ち悪く映るかもしれないですね。
自分をおおげさに褒めて!
バスケットスクールの子どもたちは、友だちを褒めれるようになりました。
しかし、子どもたちの口から、自分自身のことに対しては、
- 「ミスをしてしまった、、、」
- 「私はシュートが下手だから、、、」
- 「俺が足を引っ張ってるもん、、、」
と、自分で自分を褒める事が出来ないということに気づきました。
- 「みてみてー!こんな事ができるよ!」
- 「俺天才だけん!」
- 「私できるようになった!!!すごい!!!」
こんな言葉が聞こえてこないことに不思議に思ったのです。
そこで、あるコーチが自分を褒めだしました。
- 「ナイス俺!」
- 「ナイスパス俺!」
- 「ナイスダッシュ俺!」
すると子どもたちは、面白いように、自分を褒めだすようになりました。
シュートが入らなくても、シュートラインがまっすぐであれば
- 「ナイスまっすぐ!」
この言葉は、当たり前のように多くの子どもたちが使うようになったのがとても嬉しかったです。
という経験から、月に1度の交換ノートの「魔法の質問」にも3ヶ月目に
「自分をおおげさに褒めてみて!」
と、書くことにしました。
天才だらけの子どもたち
- 身長高くてめっちゃ優しい 人をほめるのが天才的
- 控えめにいって 天才 文武両道の神
- ぼくは、やさしい、ぼくは、いつも笑顔だ、ぼくは、とても元気だ
- ハンドリングが秒数上がった。
- 世界でデニス・ロッドマンの次にリバウンドが最強な男
などなど、多くの子どもたちは、面白いように自分を褒める言葉をノートに書いてくれました。
ほとんどの子どもたちは、褒められたいし、自分の良いところも知っているのです。
ただ、表に出すことが出来ず、自信に繋げることが苦手です。
自分を褒める習慣の大切さを感じています。
また、気になったことは、「ほめるところがない」などのネガティブなことを書いている子。
共通点は、お父さんさんが熱心で、とにかくダメ出しが多い。
(また、このダメ出しの多いお父さんたちのお話は別の機会に記そうと思います)
まとめ
質問を通して、子どもたちが表に出すことが出来ない想いに少しだけ触れることができます。
環境で、自分の想いを自分の中に留めておくことが「美」とされているような気がします。
もちろん、日本の古き良きモノもあります。
しかし、時代が進み、「古き良きモノ」の本質が置いていかれ、外側だけが残ってしまい、子どもたちには、自分を縛るモノとして残ってしまうことも多く有るように思います。
正解は無く、とても難しいものに触れている気もしますが、常に本質を見れるよう、子どもたちと向き合い続けようと思います。
単純に子どもたちが笑顔で、出来たことを出来た!と喜ぶ姿がそばにあることが心地良いと思いませんか?
自分をおおげさに褒めて! 回答
- やさしい
- 周りを見れる。
- シュートが入りやすくなった。あまり、ボールを見らずにつけるようになった。
- なわとびがうまくなった!バスケも上手ずになった!
- 身長高くてめっちゃ優しい 人をほめるのが天才的
- えー、むりむりーとか言ってもちゃんとやることですかね?(笑) 他は思いつきません☆
- 声がでかいとこ!
- ふつうにいいね
- 勉強とバスケの両立が出来てていい!
- 外からのシュートが打てること。
- ハンドリングが秒数上がった。
- 世界でデニス・ロッドマンの次にリバウンドが最強な男
- 控えめにいって 天才 文武両道の神
- ドライブ
- シュートがめっちゃはいる.
- ユーロステップ
- 明るくて、元気なところです!
- 勉強をがんばっている
- バスケの人から人気です。同じ学校の友だちとあそぶ
- ナイスファイト
- ナイスつま先
- がっちゃんに「上手になったね」とほめられた。もっともっとほめられるようにがんばろう。すごい!!
- ほめるところがない
- もっとシュートを決めて、もっとうまくなれるはず~。
- ムードメーカー
- 勉強がきちんとできるところはすごいね~
- ちょー頭いいよ(笑)
- ほめることがない
- シュート率が上がった。
- 色んな事をがんばれる。
- 足が速い
- 試合をイメージして、自分のライバルを思いうかべてやっていることです。
- 2Pが少し入る・センターができる 左手が使える
- ぼくは、やさしい、ぼくは、いつも笑顔だ、ぼくは、とても元気だ
- ①声をだす ②仲間を褒める ③ルールを守る
- ①自信を持ってシュートにいける。 ②自分や周りの人をほめれる。 ③楽しんでバスケができる。
- 部活終わったあとの外周、よく頑張った!笑
- バスケが好き、夜に強い ゲームが好き、食べ物の好き きらいがない。
- ①ナイスボイス ②ナイススピード ③ナイスチャレンジ
- 周りを見れる
- がっちゃん、こんにちはー!!!! 自分は、「コーチにいわれたことは必ずできるところ」 が私の長所かなぁ笑
- ハンドリングを毎日少しずつしている。
- 背が大きい!
- ケンシンってめちゃめちゃバスケ大好きで練習熱心でなんでもあきらめずきついことも頑張って楽しくしていてすごいね!!
- ドリブルがうまい
- ①誰とでもコミュニケーションがとれる。 ②忍耐強い。 ③良心が強い(笑)